単身者撲滅委員会~同棲ブログ~

同棲カップルの日常から同棲の良さを実体験を元に伝えます。『1人より2人』が何よりも楽しい!

池袋と神戸で起きた二つの交通事故。『歩行者にとっての青信号は安全』ではなくなった。

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連日メディアでは、池袋で起こった高齢者による運転事故や、神戸での路線バスによる運転事故について放送されています。ご遺族の方へ、深くお悔やみ申し上げます。

今回は、『池袋での暴走運転の事故』と『神戸で起きた路線バスの事故』の2つの運転事故を受けて、運転による事故の原因と、互いの共通点について言及していきたいと思います。

 

今メディアやネット上で取り上げられているのは、事故を起こした人物に対しての言及ばかりです。

『容疑者』『上級国民だから容疑者扱いされない』などと扱いの違いを取り上げる前に同様の事故が起こらない為にはどうしたらいいか考えて欲しいと伝えたい。

池袋で起きた暴走運転事故

4月19日に池袋の見通しの良い交差点で87歳が運転する乗用車が、赤信号にも関わらず、ブレーキを踏まずに加速を続け、交差点を渡っている歩行者に突っ込み、母子2人死者及び男女8人の重軽傷を負う事故が発生しました。

headlines.yahoo.co.jp

今まで多くの交通事故がニュースで取り上げられていますが、ここまで多数の重軽傷の方が出るような事故はありませんでした。

当たり前のように信号が青に代わった交差点を歩いて渡る。そこを車が猛スピードで突っ込んでくる。誰にでも起こりうる事故に対して、多くの人々に不安と恐怖を与えました。

運転手はベテランの高齢ドライバー

今回事故を起こした運転手は、87歳の高齢ドライバー。足を痛めて通院していたと言う。日頃から運転に対して不安を覚え、そろそろ運転を辞めると告げていたようだ。

自身の運転に対しても不安を覚えながらなぜ運転を続けてしまったのだろう…。不安を覚えた段階で、運転自体をやめていれば、『このような悲痛な事故が起こらないで済んだのに』と思わずにはいられない。

神戸で起きた路線バス暴走事故

4月21日神戸市三宮駅前の交差点で、64歳が運転する路線バスが、バス停で乗客を下ろした後に、赤信号にも関わらず、交差点へ侵入しブレーキを踏む事なく歩行者に突っ込み、20代の男女2名の死亡及び6名が重軽傷を負う事故が発生しました。

news.livedoor.com

 路線バスの運転手と言えば、乗客の命を預かる仕事として常に安心安全に心掛け、運転されています。路線バスの運転手さんは、朝からアルコール検査を実施し、運行が終わった後もしっかりとアルコール検査を実施されているようです。

www.bus.or.jp

 

バス運転手はベテランドライバー

今回交通事故を運転手は、運転歴33年のベテランドライバーである。ドライバーは過去に4度の事故歴があったと言う。事故内容は、バス内の乗客が転倒したり、一般車への接触事故などで命に関わる重大な運転過失ではないが、過去の事故を起こした段階から意識的に事故防止へと何か取り組めていれば…と思わずにはいられない。

【池袋・神戸】2つの交通事故の共通点とは

  • どちらの運転手も運転歴が長いベテランであった事
  • どちらの事故も信号機が赤の状態で発進している
  • ブレーキを踏んだ形跡もなく交差点に侵入している


 運転歴が長いからと言って、必ずしも事故なく運転できるとは限らない。

年齢を重ねるに連れて、周りへの注意力が散漫になり、「まだ自分は運転しても大丈夫」そんな方でも、運転している以上、いつ事故が起こるか分かりません。

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3人に1人は「運転中の注意散漫」を体験している

75歳以上のドライバーに限って、ヒヤリとしたり、ハッとした体験(ヒヤリハット)と、事故につながった危機の経験を聞いています。

ヒヤリハット経験】

  • 1位:運転中の注意散漫
  • 2位 (見通しの問題で)信号や車、歩行者が見えなかった
  • 3位:左折・右折時の歩行者や自転車との接触(巻き込み)

【事故につながった危機】

  • 1位:ハンドル操作ミス
  • 2位:運転中の注意散漫
  • 3位:前を走る車や停車している車への追突(玉突き)

中には、3人に1人以上という高い確率で、体験している項目もあり、自動車の運転が危険に満ちた作業であることがわかります。

年齢が高いほど、自分の運転に対する自負が強くなる。80歳以上では72%が自信アリ - シニアガイド

 歳を重ねるに連れて危険運転の経験をされた事がある方の割合が上がります。もちろん年齢関係なく、運転事故は起こる可能性は大いにあります。

現在日本での高齢者に対する免許更新について

日本では70歳以上の運転免許取得者が、免許更新を希望する場合は必ず高齢者講習を受験する必要があります。 

そして、70歳以下の免許更新頻度は5年に対して、71歳以上の免許更新頻度は、3年と短くなります。更に75歳になると講習予備検査を受けることになります。

講習予備検査とは・・・運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上のドライバーが、高齢者講習の前に受けなければならない検査。認知機能検査ともいう。警察から委託された教習所等で、記憶力や判断力を測定する。特別な事前準備は不要。

高齢者講習とは?|事故・違反|JAFクルマ何でも質問箱

 

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※ 認知機能検査の結果について
○ 第1分類・・・記憶力・判断力が低くなっている方(認知症のおそれがある方)
○ 第2分類・・・記憶力・判断力が少し低くなっている方(認知機能が低下しているおそれがある方)
○ 第3分類・・・記憶力・判断力に心配ない方(認知機能が低下しているおそれがない方)

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 高齢者講習等の流れ - 高齢運転者支援サイト

 

高齢者に対して、認知症や注意力の検査を実施されている事が分かります。しかし、認知症の進行や判断能力に関しては、更新期間が3年となる為、認知症の進行が進んだり、急に判断力が鈍る可能性もあります。

免許更新は、時間も取られ、近くで更新ができない場合は、遠方まで行かなくてはなりません。高齢者になると足を運ぶのは余計に大変になってきます。

 

高齢ドライバーに対して思う事

現在の日本は、今後更に高齢化が進んでいきます。その上で、高齢者の運転に対して国からの制度や法律だけでなく、個々の運転に対する認識を変える必要があると感じます。

ジャーナリストの大谷明宏さんより、社会と高齢者の観点から次のように話されています。


「みなさんちょっとお年寄りに優しすぎると思うんですよ。失礼な言い方になりますが、87歳ということで大変な共済年金(国家公務員や地方公務員が加入する公的年金)をもらっていると思うので生活に困るわけじゃない。『だけど私は運転したい』ということだが、東京には地下鉄もあればバスもある。24時間タクシーだって動いているのだから、都会に住んでいる高齢者は運転免許証を返上してください。あちこちの都市ではお年寄りに公共交通機関で使用できるパスを渡している。それは受け取ります、でも車に乗りたい人は周囲にいくら言われても乗ります。それではあまりにも独善的すぎる。お互いに遠慮するという流れを社会の中で作っていかなければいけない」

池袋の車暴走事故「お年寄りに優しすぎる」と指摘 - ライブドアニュース

 

生活する上で、車がないと生活が難しい地域や、仕事上車がないと身動きが出来ない方もいるかもしれません。高齢者の方に対して「運転をするな」とは言いません。しかし、生活をしていく上で支障が発生した際には車の運転を少しずつ自重するような考え方を持っていただきたいと思っています。

交通事故を起こすのは高齢者だけなのか?

交通事故に対して調べていたところ、とても興味深いデータがありました。それは、高齢者以上に若者の交通事故発生件数が多いことについてです。

年齢層

交通事故発生件数(件)

運転免許保有者数(人)

交通事故発生率(%)

16~19歳 17,222 945,113 1.822
20~24歳 50,831 4,750,004 1.07
25~29歳 42,553 5,653,295 0.753
30~34歳 39,094 6,722,145 0.582
35~39歳 39,038 7,613,638 0.513
40~44歳 46,938 9,121,094 0.515
45~49歳 42,683 8,838,557 0.483
50~54歳 34,641 7,289,860 0.475
55~59歳 31,925 6,759,873 0.472
60~64歳 32,920 6,831,945 0.482
65~69歳 38,665 7,908,543 0.489
70~74歳 25,322 4,642,828 0.545
75~79歳 18,258 3,038,970 0.601
80~84歳 10,434 1,525,848 0.684
85歳以上 4,198 564,198 0.744

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教えマッスル自動車保険

 

年齢層別交通事故発生件数及び一人当たりの事故発生率を見てみると、若年層の交通事故発生率が非常に多い事が分かります。

 更に若年層の事故原因について調べてみると驚くべき結果が明らかに。

若者と高齢層の事故原因が一致する結果に

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操作ミスの原因は? 若者と高齢者に多い「操作不適事故」 | トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO

年齢別の事故原因を調べた結果、若年層と高齢者の事故原因が一致していたのだ。若年層は判断能力も高く、操作ミスをせず、操作不適に陥る可能性は低いと考えていた。しかし、若年層の事故を起こすきっかけは、深夜や早朝に事故を多く起こしています。スピードの出し過ぎや、運転免許経験の乏しい中での安全に対する認識の甘さから事故を起こすケースが多く発生しています。

それに伴い高齢者は、運転に対する経験値は非常に高いが、事故自体は日中に多く自身の判断能力の低下が原因で事故を起こしています。

事故原因である『操作不適』は、若者と高齢者が一致する結果でしたが、原因理由については、若者と高齢者では違う結果となりました。

歩行者や自転車は青信号でも注意が必要 

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 今回の交通事故を受け、今までは何気なく、信号が青に変わったら歩き出していましたが、青信号になったからといって『車が突っ込んで来るかもしれない』と言う恐怖心が人々の心に植えつけられました。交通事故による死者の数は年々減少傾向にありますが、危険運転自体は一向に減る気配がありません。むしろ、これから高齢化が進むに連れて更に危険運転が増える可能性が高くあります。

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【図解・社会】交通事故死者数の推移:時事ドットコム

 毎日至る所で発生している運転事故

年間でどれくらいの割合で、運転による死亡事故が発生していると思いますか。

現在『90分に1人』の割合で至る所で交通事故による死亡者が発生しています。

そして、100人に1人の割合で、交通事故を起こした当事者となっているのが現状です。

参照:https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/zero/pdf/zero-q.pdf

普通に生活していて、90分の間に、どこかで死亡事故が発生しています。

次に交通事故に巻き込まれるのはあなたかもしれません。そして、交通事故の加害者となってしまう可能性もあります。

運転事故を減らす為にはどうしたらいいか

人による確認だけでは現在の交通事故を無くす事は難しいです。しかし、現在自動ブレーキシステムが非常に進化してきています。

 

現在、自動車メーカー各社が力を入れている安全機能「自動ブレーキ」システムですが、その方式や性能は異なり、それぞれで特徴があります。

特に、交通事故による死者のうち、歩行者が約37%(平成27年)と最も高い割合を占めているため、車両の安全対策として、対歩行者自動ブレーキの性能に注目が集まっています。

ソニー損保はが実施した自家用車所有者への調査によると、「衝突防止装置」は63.5%が搭載したいと思うと回答しており、その注目度の高さがうかがえます。

 

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知っておきたい!各社の自動ブレーキシステムまとめ | カーナリズム

自動ブレーキシステムを搭載した車に乗る事で、一定数の交通事故を減少することが可能です。実用化はされていますが、各社共に金額の幅も広く、全自動車普及に向けては時間がかかりそうです。

2020年自動ブレーキシステム搭載が義務化へ向けて進行中?

自動車の衝突を回避する「自動(被害軽減)ブレーキシステム」の新車搭載の義務化に、日本や欧州を含む40ヶ国・地域が合意したことをUNECE(国際連合 欧州経済委員会)が発表しました。一斉義務化は2020年初頭に実施される予定

40ヶ国が合意!2020年「自動ブレーキ義務化」とは?新制度で車はどう変わる?|中古車なら【グーネット】

まだ確定情報ではありませんが、国を挙げて、交通事故減少に向けて取り組みがされています。自動ブレーキシステムで全ての交通事故が無くせるわけではありませんが、少しでも交通事故減少のきっかけになる事を祈るばかりです。

海外では交通事故防止に向けて変わった取り組みがある

ポルトガルでは、自動車教習所で変わった取り組みを実施しています。初回の講習は、交通事故を体験し、何らかの障害を背負って生きている交通事故の悲惨さを一番知っている方からの経験談を聞きます。


Aula de Impacto

 

交通事故の悲惨さを肌で感じ、運転することに対しての責任や、一瞬の過ちが一生の後悔につながる事を身をもって体験されている方のお話は、どんな講習よりも交通事故に対する意識をあげ、事故が起きないように今後運転をしていかないといけないと思わせてくれます。 

まとめ

現在もこの一瞬、この時間に至る所で交通事故が起きています。

いつあなたが事故に巻き込まれるか分かりません。運転は、それほどまでに危険が伴います。

  • 運転をする方へ

運転前にどこか違和感を感じたら、その日の運転を避けてください。無茶をしてからでは取り返しがつきません。

  • 外出される方へ

いつどこから車が出て来るか分かりません。青信号だからといって安全ではありません。歩きながらのスマートフォンなどは控え、周りを見て外出をしてください。

 

1件でも多くの交通事故が減少される事と、1人でも多くの交通事故による被害者が減る事を切に願うばかりです。